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話しながら歩いていたら、目的地に着いていた。ガヤガヤと話し声や楽器の音で騒がしい。
「本当にこんな場所で食事をするのでいいの?」
「はい! 1度来てみたいとずっと思っていて、すっごく楽しみにしていました」
着いたのは花の都一大きなビアガーデンだ。日が暮れてもまだまだ暑いため大盛況で、給仕係が忙しなく動き回っている。
フローラとしてはもっと品のあるレストランに連れていきたかったのだが、本人が行きたいというので仕方なく連れてきた。
こういう場所に自分のような高位神がいると場を白けさせてしまうし、色々と面倒なので、フローラは栗色の髪にソバカス顔の女に変身をして中に入っていく。
予約していた席に行くとすでにそこには、待ち合わせをしていた神が2人、おしゃべりしながら待っていた。
「待たせたかしら?」
「いや、私もヴィーナスもさっき来たところだよ。そっちのローブを被っているのはアイリスだよね? 立神の儀ぶりだ」
セリオンが立ち上がって挨拶をすると、もう1人の神も後に続いてにっこりと笑いながら挨拶をする。
「はじめまして。愛の神のヴィーナスです。今日はアイリス様に会えるのをすーーっごく楽しみにしていました」
「こちらこそ、フローラ様からお2人に会えると聞いて楽しみにしていました」
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