1. 久しぶりのお茶会

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「それじゃあ豊穣の女神・デメテルは?」 「あれはただの乳でか女」 「芸術の女神・ミネルヴァ」 「やめてよ、あんな厚化粧」  デメテルは胸部ばっかりたわわに実っているだけ。完璧なスリーサイズのバランスを持つリアナと一緒にするなと言いたい。  ミネルヴァはもはや論外だ。自分の顔が芸術作品とばかり、化粧を塗りたくっている。リアナもフローラもスッピンだ。化粧なんてわざわざ施す必要なんてない。 「おおー、フローラは相変わらず辛口だね」  矢継ぎ早に提示してきたセリオンがくつくつと笑う。  かく言う彼女は切れ長の目に透き通るような肌、青い瞳と美しくはあるが、どちらかと言うとルナと同じでカッコイイ系だ。  ヴィーナスは愛の女神らしくピンクブロンドの髪にタレ目、やや丸みを帯びた輪郭で美しいと言うよりはかわいい系。どちらも美女神とはまた違う。   「そんな事より、とにかく、わたくしだけその虹の女神と会ったことが無いなんて耐えられないわ。紙とペンを持ってきて!」  こうなったらこの場で書いてやる! と、花の天使に手紙を書くための準備をさせる。もちろん宛先はリアナだ。
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