1. 久しぶりのお茶会

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「でも私もお会いしたことはありませんよ。セリオン様から話を聞いただけで」 「私だって同じようなもんだよ。パーティーで会ったっきりさ。まーーーーったく表に出ない方みたいだから、目撃情報が極端に少ない」  目撃情報って、珍獣じゃないんだから。フローラは手紙を書き始めながらセリオンに聞く。 「お茶会や夜会には来ていないの? 噂の的になっているならみんな呼びたいでしょうに」 「アイリスへ送る手紙はセフィロス様宛にするように、だそうだよ」 「なるほどね。送りたくても送りづらい」  アイリスへの手紙はセフィロスの検閲(チェック)が入るということか。 「でもただパーティーの招待状ならいいんじゃない? 変な内容じゃないんだから」 「何人かは出したみたいだけど、不参加の返事をもらったみたいだね」 「なら風の神殿へ行けばいるでしょ」  従者(つま)になったんだから、当然(おっと)の住む神殿に住んでいる。重要人物の来客対応は、妻か守護天使がするのが基本だ。 「これがまた、全然出てこないみたいだよ。9年前パーティーで会った時には、そんなに引っ込み思案そうには見えなかったんだけどね」 「ふーん。引きこもりのお嬢さんでないとしたら、セフィロス様が閉じ込めているかもって事ね」 「まさか。そんな事したら他の最上級神が黙ってないだろ」 「まぁいいわ。いずれにしてもリアナ様に頼んで、絶対に会わせてもらうんだから。よしっ、出来たわ」  フローラは自身の神鳥を呼び、書き上げたばかりの手紙を届けさせる。 「2人ともわたくしの報告、期待していて」  自信満々にフローラが微笑んだ。
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