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「アイリス様、リアナ様がお見えですよ」
テーブルで1人うだうだやっていると、ジュノが声を掛けてきた。
「リアナ様?」
今日は特に来るという知らせは貰っていないけど、何か用だろうか?
振り向くと既にリアナはリビングまでやって入って来ていた。
「あら、アイリス。どうしたの? ぐてんとなっちゃって」
リアナに言われて慌て姿勢を正す。見られたのがセフィロスじゃなくて良かった。
「いえ、ちょっとヒマだなぁ。なんて思ったりして……」
超絶忙しい人に向かって何言ってるんだ私は。言った後に後悔する。
「毎日ここで過ごさなきゃならないんだもの。無理もないわ。でもそういう事なら今日は、ちょっと楽しいお知らせを持ってきたわよ」
リアナはアイリスの発言を気を悪くする様子もなく、隣に座ってきた。
「楽しい知らせですか?」
「ええ。あなたの立神の儀に出席出来なかった神が1人いたのは知っているわよね」
「はい。花の女神・フローラ様ですよね。確かその時、地上に降りていて来られないと伺いました」
フローラはアイリスが住んでいる2層目・南を管轄している女神だ。リアナと並んで、相当な美女だと聞いている。
「つい最近フローラが天界に戻ってきて、それであなたに会いたいんですって。お茶でも一緒にと誘われているだけど、どうかしら」
「私にですか? えっと……」
どうしよう。初対面なら尚更、答えられない質問をされた時、上手く切り替えせる自信が無い。
「私も一緒に行くから大丈夫よ」
「いいのですか? それなら是非」
リアナが一緒なら心強い。アイリスは首をこくこくと縦に振る。
「それなら決まりね。日程はまた手紙で知らせるわ」
リアナはそう言うと、置いてあったクッキーをつまみ始めた。
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