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3. お茶会@花の神殿
いよいよフローラと会う日がやってきた。場所は花の神殿で、リアナと一緒にスキンヘッドをした花の天使に庭へと案内される。
初めて入る花の神殿はその名の通り、どこを見ても花だらけだ。溢れんばかりに花が咲いていたり生けてあったりして、花のいい香りが充満している。
通された庭にあるガゼボでは、既にフローラと思しき人物が待っていた。リアナとアイリスに気が付くと、出迎えるために近づいてくる。
お互いの姿と顔がよく見える所まで近づくと、挨拶する前に無意識に呟いてしまった。
「なんてお綺麗な方なのかしら」
「まあ、なんて美しいのかしら」
お互いの声が重なった。
目の前に来たのは、花をそのまま人型にしたかのような女神だった。
波打つその髪の色は青、桃、紫、黄色と、色とりどりの花で染め抜いたかのような、鮮やかな色合いをしている。すみれ色の瞳を縁取るのは、やや目尻がつり気味のパッチリとした猫目だ。
「会って早々、2人とも随分と気が合うみたいね」
リアナがクスリと笑うと、それを聞いたフローラが少しだけ顔をしかめる。何か悪いことを言ってしまったのだろうか。そうだ、挨拶だ。挨拶を忘れていた。
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