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「初めまして、虹の神・アイリスと申します。本日はお招きいただきありがとうございます」
「こちらこそ、来てもらえて光栄だわ。リアナ様もようこそいらっしゃいました。こんな所で立ち話もなんですし、座ってゆっくり話しましょう」
席に座ると、花の天使がお茶を用意してくれる。
「さあ、遠慮なくお召し上がりください」
軽く自己紹介をしてもらいながらお茶を飲んでいると、ティーフードに出されたスコーンに大好物のはちみつが添えられているのを見つけた。それを早速スコーンにトロリとかけて食べてみる。
「あの、このはちみつもしかして、ここの庭で採れた物ですか?」
ひと口食べてみただけで、今まで食べたはちみつと全然違う味と香りがするのが分かった。食べると不思議と幸福感に包まれるような感覚がする。
「なぜそう思うの?」
「はちみつを食べたら、この神殿で咲く花から感じる幸福感を感じたので。それにしても、ここの花はみんな楽しそうに咲いていますね。ミツバチが喜んで蜜を集める姿が目に浮かぶようです」
「……当たりよ」
なぜかフローラが眉根をよせて、何かをこらえるような、悔しがるような表情をした。
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