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「私の事はいいから…レイナを…そのままにしてあげて」
私をレイナに元へ送ろうにも、レイナがアルカス公爵家にいる限り無理な話なのだ。
そもそも、もうそんなことぐらいで私の身体が持ち直すとは思えないが。
「ダメだよ、そうしたらルナが死んでしまう…。お祖母様、早く助けてあげて下さい!」
ライアン王子の悲痛な声。
ごめんなさい、ライアン。
私、あなたに可愛がってもらえて幸せだったよ。
お祖母様は私に手をかざして唸る。
「そうね…。では、魔法そのものを解くしかないわね」
「お祖母様、かかった魔法の解読が出来るのですか!?」驚くキャシー。
「私を誰だと思っているんですか。この国一番の魔法使い、エリザベス様よ!」
目を瞑っていてもわかる気迫。
お祖母様が全力で私にかかった魔法を解読してくれているのだ。
「……ふーっ。わかった。はいはいはい……」
周りがしん…と静まり返り、お祖母様の次の言葉を待つ。
「ライアン、この魔獣にキスをしなさい。それで魔獣は元の姿、元の場所に戻るから」
……えぇっ!?
意識が飛び飛びで半開きだった目を、びっくりして思わず全開にしてしまった。
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