二葉学園へご入学!

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二葉学園へご入学!

「これから、二葉学園・入学式を挙行いたします。」 教頭の言葉で体育館に緊張が走る。 ピリピリとした空気の中でも気にせず、座る姿勢を変えない少女がいた。 _堀崎彩芽だった。 過去、15年間。殺人を起こした数は数えきれない。 彼女は、持ち前の頭脳で二葉学園の模試を満点で通過した勇逸の生徒。 もちろん、二葉学園側はこんな逸材を見放すはずはなかった。 模試1位の特権の「入学式スピーチ」を今回することになった。 「なぁ、あの赤髪の子…可愛くね?」 「どうやら、超優秀の私立校の梅ヶ丘女子中学校の卒業生らしいぞ」 あちこちでそんな話題がコソコソと聞こえる。 だが、彩芽はそんなこと気にしなかった。 長々と話す校長の話も動かずじっと聞くことができているところも、さすがと言ったところ。そろそろ、スピーチの本番が始まる。 「では、新入生代表・堀崎彩芽さん。」 教頭の声が響く。「はい」と返事をし、立ち上がる。 ゆっくりと歩き出し、舞台へ上がる。 「私は、小学生の時…親に捨てられました。」 一瞬しん…となった。その間わずか0.01秒。 「え?」「なんで??」という疑問の声が広がる。 そんなことは気にせずスピーチを続ける。 「私は、そんなひどいことをしない優しい女性になりたいです。 そして、中学の時私は思ったような生活ができませんでした。 なので…」 そこで軽く息継ぎをし、言った。 「この、二葉学園では…『のびのび』と生活したいと思っています。」 その後も、淡々とスピーチをし、この5分間が終わる。 「ありがとうございます。では、新入生は退場してください。」 放送がかかる。一斉に立ち上がり椅子と椅子の間のスペースを2列で歩く。 体育館の出入り口からどんどん出ていく。 入学式が終わったら各自、クラスへ行き担任の話を聞くことになっている。 自分の組は…4組だった。 「初めまして!私は、担任の綾峰美鶴です。よろしくね!」 黒板に自分の名前を書く。そして、補足した。 「趣味はお菓子作り!運動も好きよ。では、みんな!自己紹介しましょう!後、今学期の目標についてもね!」 そう言って、机からタイマーを取り出した。 「時間は、5分!では内容を考えてね!」 私は、ポケットからメモ帳を取り出しちぎる。 もう内容は決めていた。 決めた内容をパパッと書き込んでいく。 「はい!5分経ちました!では、発表していって!」 と言った合図で出席番号が早い順で自分の紹介をした。 「では、次は堀崎さん!」 いよいよ、私の順だ。みんな色々と個性があって覚えやすそうだ。 「私の名前は、堀崎彩芽。名前を書くときは『アヤメ』と書いてもいいです。 今学期の目標は、さっきのスピーチでも話した通り何も縛られずのびのびと生活したいです。」 そう一気に言って席へ座る。 クラスのみんなは一斉に拍手をした。 下校はその15分後だった。 いろんな説明やプリントの配布があり結構時間がかかったようで。 通学カバンを持ち、校門から出る。 「どんな生活が待ってるのか、今から楽しみだな_!」 先生の写真を見つめながら「ふふっ」と笑いが溢れた。
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