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個性が邪魔で仕方がない
「昨日の入学式から一日経ったけど、みんなどう?」
朝のHRの時間。担任が教室に入ってきた時の第一声。
「まぁ、初めての子が多いよね。時間が解決してくれるから大丈夫よ!」
先生は笑顔で言った。太陽のように眩しく明るい笑顔。
_作られた笑顔だった。
アヤメには分かる。小さい頃、親を怒らせないように毎日鏡の前で笑顔の練習をしていたのを思い出す。
その笑顔はぎこちなく、震えててただ口角が機械的に上がっただけの顔。
涙目で練習する自分を想像すると何だか泣けてくる。
今更感が私を襲う。
「先生は、個性を大事にします!!個性は人それぞれ。全く同じ人間なんてこの世に存在しません!!」
と担任は熱く語る。クラスメイトは聞くのがめんどくさいからなのか、
隣と話したり、寝たりしてる奴らが多かった。
そんな綺麗事を聞かされても…と私は思っていた。
というより、この世がそんな綺麗事でなっているなら、
いじめとかそういうのは0というワケでありまして。
高校にもなってこんなことをHRで語られるなんて…
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