個性が邪魔で仕方がない

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「ごめんね!!やっと会議が終わったわ。」 先生は汗をダラダラ流して息を切らしていた。 どうやら、走って帰ってきたらしい。 「って、なんで黒板に落書きしてるの!?」 先生は驚きを隠せていない。 私がトイレに篭っている間何があったんだ一体。 「え〜、だって個性を大切にって言ったじゃないですかぁ?」 クラスの男子が立ち上がって言った。 「僕〜そういう個性なのでぇ〜」 うっわ〜出たよ、こういうやつ!!だから 「個性が何とか〜」とか言っちゃダメなんだよ!! 心の中でため息をついた。 先生は、その男子を叱っていた。 だから私は個性が嫌いだ。個性が何でも?そんなの知らない。 邪魔すぎる。だから暴れ出す奴もいる。 とりあえず、授業を始めてくれ。早く。 「まぁ、これは後でするとして、では授業を始めます。」 マーカーを持ってボードに書き出す。 ノートと教科書、ペンケースを取り出し私も書き始める。 右ななめ後ろのあの子。 ずっと私を見つめていたことに、全然気づかなかった。
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