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招待状。今年もそれが届いた。今年はにょんたんず宛てだ。瑠璃お兄ちゃんは伊織先生に頼まれて仕方なく持ってきたと渋い顔をしてた。
「瑠璃お兄ちゃん、何かイヤなことあるの? 僕と温泉旅行行くのイヤ?」
「翡翠と旅行行くのイヤな訳あるか! 自慢じゃないがお兄ちゃんは筋金入りのブラコンだ! 翡翠との温泉旅行なんて楽しみに決まってるだろ!」
時々、瑠璃お兄ちゃんがお父さんみたいなことを言い出すことがある。似てると言えば瑠璃お兄ちゃんはへそを曲げるけど。
「じゃあ何か他になんかあるの?」
「……翡翠は気にしなくていい。お兄ちゃんたちが守るから……」
力強く言われた。多分、伊織先生が女体化した僕をお嫁にするとか言っているせいだけど、そんなの叶う訳ないじゃん。瑠璃お兄ちゃんたちは気にしすぎなんだ。それを言ったらやっぱりへそを曲げるんだけど。
「でも僕、フーフーとスイスイと旅行行けるのは楽しみだなぁ。猪さんたちも行くんでしょ? にょんたんずで猪さんたちでお散歩できるもの!」
「まぁゴールデンウィークはうちのスタジオで貸し切るから猪さんたちもはろんさんとこのらぶちゃんやヴェアくんも行けるからね。……どんだけの金額かかってるか知りたくもないけど……」
なんてことがゴールデンウィークのちょっと前にあって、今年もお父さんの運転するキャンピングカーで去年行った旅館に向かう。
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