キミ達がくれたもの

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キミ達がくれたもの

それから何年もの月日が経ちました。 あの猫たちの家のおばあさんか、おじいさんかどちらが忘れてしまいましたが、老人ホームに入られて、猫の世話もできなくなり、猫の姿も見えなくなりました。 あの猫たちはどこに行ったのかという話は聞きませんでした。保健所に行ったのでしょうか。それとも誰かに引き取られたのでしょうか。 私は今でも気になっています。ただ猫が好きだからと言う理由ではありません。あの子たちだから。私のつまらない帰り道に喜びをくれたから。 今日はいるかな。 なんてワクワクしながら向かうのです。 キミ達の気まぐれで一喜一憂するのです。 ありがとう。本当にありがとう。 今でも思い出します。あの子達がいたことを私はきっと忘れません。 今でもあの道、あの家の前を通ると、探してしまうのです。
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