キミとの出会い

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キミとの出会い

これは私が小学3年生の頃の話です。 私の家の方向は私と同じ年齢の子はいなく、いつも一緒に帰るのは、小学6年生姉とその友達でした。5年生の2人も同じ帰り道でしたが、私達よりも先に早足で帰っていました。 姉の友達は3人もいて、4人で楽しく話しながら家の方向に歩くのです。そこに私の入る余裕などなく、その4人組から少し離れた後ろを、ひとり寂しく歩くのでした。 ある日、その帰り道。坂道のガードレールの下に黒猫がいました。前の4人組はその黒猫が、影と同化していて見えていなく、素通りしてまた、ぺちゃくちゃ話していました。だけど、私はこの猫を発見しました。黒猫だ!っと思ったときに私は大きな声で言っていました。 「ねこっ!」 その声に前を歩いていた4人はこちらを振り向き、こちらにわらわらと近づいてくるのです。 「ホントだぁ、ねこだ!」 近づいてくる4人に驚いたのかその黒猫は逃げて行ってしまいました。 猫が見えなくなるまでみんなは見届けるとまた、姉たち4人は話しながら歩いて行きました。 私はなんてことをしたのだろうと思いました。私はその黒猫を利用したのです。 いつも私のことを気にかけてくれない姉たちに、こちらに注目してほしかったのです。今になっては子供らしい考えに気づくことができます。私はその当時から猫を飼っていて、猫に目がないのです。今なら絶対に声などあげず、ひとりでその黒猫を撫でていたほうが良かったと思えます。 今でも後悔しています。
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