ひなと私

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女の子でも男の子でも構わなかった。 ひとりっ子の私はお姉ちゃんができたみたいで嬉しかったし、同じ歳くらいの友達ができるのも嬉しかった。 しばらくは咲希ちゃんか陽香ちゃんの後ろに隠れていたけど、大好きな姉達やお母さんが笑って接しているのを見てか、だんだんと笑って遊んでくれるようになった。 ひなはおっとり屋さんで、不器用なところもあった。 かけっこはいつも転んでビリだし、ハサミを使えるようになるのも、すみれ組で1番遅かった。でも、恐竜や古代生物のことに関しては、周りの誰よりも詳しかった。 幼稚園に行き始めると人見知りは拍車がかかり、担任以外の先生が来ると教室の隅っこで震えていた。 発表会は年長さんでもステージに上がることができなかった。 私はできるだけひなの隣にいるようにしていた。 小学校でもオドオドと固まっていたけれど、少しずつ少しずつ慣れていき、3年生になる頃にはひな本来の人懐っこさが発揮できるようになっていた。
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