朝、起きたらお母さんが怪物になっていた【1】

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朝、起きたらお母さんが怪物になっていた。 ちりりりりり いつものように目覚まし時計をとめる。 「おはよう」 と、いつものように小さい頃から大切にしているくまのぬいぐるみに話しかける。 いつものように、ベットから降りてスリッパを履く。いつものように歯を磨き、いつものように着替えて、いつものように朝ごはんを食べる。 予定だった。 なにか焦げ臭い。起きたらキッチンの方から焦げた匂いがした。またお母さんが鮭を焦がしたのだろう、と僕は思った。 今日は朝ごはん抜きかぁと思いながら、歯を磨いてからキッチンへと向かう。 「おはよう」 「あら、いつもより早いのね、おはよう」 違和感、鮭は焦がしてないようだ。じゃあこの焦げ臭さは一体何処から?? 「なんか焦がした?焦げ臭いんだけど」 「焦がしてないわよ?ほらみて、今日は綺麗にお弁当に詰められたわよ!」 お母さんが振り返る。 「うわ、うわぁぁぁぁぁ」 僕は一心不乱で走る、走る、走る。 着替えては来たけれど学校の持ち物を全て 置いてきてしまった。置いてきたからといって 取りに戻ることはできない。勇気がない。 なんでかって、、? 信じられないかもしれないけど、お母さんが お母さんが、、、 漫画でよく見るあの緑色の怪物だぞ。 信じられるか?信じられないよな。 実際に僕もまだ信じられないんだ。 あれは夢、?それとも幻覚? そうだそれだ、しっかり見たわけじゃないし 幻覚かも知れないんだよな… とりあえずこの事は誰にも言わないようにしよう。 リュックを忘れてきたと言ったら笑われた。 そりゃそうだよなー。天然で馬鹿なヤツって思われないか心配だ、まぁ心配するとこそこじゃないんだけどなぁ、、今日は家に帰りたくないな…
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