俺の定食屋

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閉店時間も迫り、店内には客がまばらになった。 俺の目の前には出来たてのアジフライ定食。 小金井の前には香ばしい香り漂う焼肉定食。 「これはお父ちゃんからのサービス。今日もお仕事お疲れ様やね。時間気にせんとゆっくりしていってね」 コトンと置かれた小皿には大きなから揚げが四つ。 「うわぁ、いいんですか?」 「ありがとうございます」 厨房にも視線を向ければ寡黙なご主人が控えめにすっと手を挙げて応えてくれた。 朝子さんだけじゃなくご主人の雰囲気も、この店の魅力なんだろうな。 「冷めないうちに食べようぜ」 「いただきまぁす」 俺と小金井はそれぞれ手を合わせてから箸をつける。 サクッという咀嚼音すら心地良く聞こえるとは、なんとまあ幸せなことだろうか。 「ん~、美味しぃ~。癒されるぅ~」 小金井が幸せそうに頬張る。 「まさにそれな」 俺は編集者の端くれらしく語彙力のない言葉で相槌を打つ。 「先輩、また一緒に来ましょうね」 「そうだな」 明日もまた頑張ろう。 また定食屋に来よう。 これからもよろしく、定食屋。 前向きな気持ちにさせてくれる定食屋(ここ)は俺のお気に入りだ。 【END】
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