俺の定食屋

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お昼時を過ぎたとはいえ、思ったよりもガランとしている店内。 それほど大きいわけでもないのに少し物寂しい。 メニューを開けば定食がずらりと並ぶ。 刺身定食、天ぷら定食、アジフライ定食、焼き魚定食、焼肉定食……。 どれも魅力的なワードでさらに値段も思ったより手ごろ。 「迷っちゃいますねぇ」 「俺はアジフライ定食」 「じゃあ私は~」 小金井はメニューとにらめっこしながらうんうんと優柔不断に悩む。 かく言う俺も、即決に見せかけてかなり悩んだ。 小金井、早く決めろ。俺の決意が揺らぐだろうが。 「私は焼肉定食にします」 ようやく決めた小金井が声を上げると、先ほどの店員さんが「はーい」と注文を取りに来る。 注文した料理が来る間、俺は店内を見回した。 明るい店内は掃除がよく行き届いて清潔感がある。 店員さんは彼女一人、他に働いている人はいなさそうだ。 いや、厨房には調理している男性がチラリと見える。 「雰囲気いいお店なのに、人少ないですよねぇ?」 小金井が声を潜めて言うので、俺は無言で頷いた。 ちょうど同じことを思っていたからだ。 「なんでだろうな? もしかしてあんまり美味くないとか?」 「えー、だったらガッカリですよねぇ」 そんな失礼なことをコソコソしゃべりながら待っていると、しばらくして「お待たせしました」とこれまた朗らかな声で定食が運ばれてきた。
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