宝石色のモラトリアム

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なーんて気になる人の好きなトコロを考えながら ハッピーラッキーな一日を過ごす。 移動教室も休み時間も、あと放課後も楽しめるのはある意味才能なんじゃん? 「サン〜!駅前の寿司行くぞ。」 「行く行く〜!あ、藍川さんも来る?」 ピシッと場が凍りついた。主にアキラとミドリの方から。いやいやそいつ誘う?ってハテハがめっちゃ見える。 「行かない。」 これまたピシャッと返答。めげないもん! 「そっかー。新作パフェ出たんだけどな……じゃ、また明日ね♡」 笑顔を崩さず、あたしに少しでも好意ある人を一気に恋へと堕とす笑顔を向ける。 ちょっと目線を上げた藍川さんに更に大きく手を振り、控えめに振り返された手に嬉しさが込みあがったところで、アキラにがしっと手を掴まれた。 「ほらサン行くよ。」 「は〜い。見て見て手振ってくれたの!かわい〜!」 「分かった分かった。」 「だ〜、もうそろ夏服じゃね?衣がえまだ?」 「ちなみにミドリのバカは知らないと思うけど、前後一ヶ月は移行期間だからもう夏服オッケー。」 「まじ?初耳。オレがバカなのも。ってかサンさ、めっちゃ藍川に絡むじゃん。どした?」 「サンはあの子お気に入りだもんね。」 「えへ、バレた?そー、なんかね。」 大事なことは教えてあげない。ごめんねミドリ! 「ねえあの子の性別ってなんだっけ。名前はマリンだけどさ、スラックスじゃん。体育は女子の方にはいないし。」 「男子の方にもいねー。保健室じゃね?」 「いや聞いてんの性別。場所じゃなくて。」 「分かってるっつの!アキラはせっかちだな。」 「あれかな、ほら最近流行ってる……LGBT?ってやつ?あれ、セクシャルうんたら……だっけ。」 「あー、身体は女だけど心は男、みたいな?いいじゃんサン、付き合えるよ。」 「まだそう決まったわけじゃないでしょ。でもそっかぁ……。」 にやにやする二人になんとなく恥ずかしくなり、反論みたいなのをしたくなった。 「まだそんなに藍川さんのこと知らないし……。」 「「じゃあ知ればいいじゃん!」」 親友二人がハモった。
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