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「でも、疑問はある」
陽菜ちゃんは、キーホルダーやシャープペンを弄びながら言った。
「私、魔法使いだった時のことを全然覚えてないの。他の前世のことは覚えてるのに。どうしてなんだろう」
そして、私のほうを見て言う。
「あと、さっき話した私の前世の友達は、やっぱり紗耶ちゃんのような気がする。紗耶ちゃんは違うって言ったけど…」
私は真面目くさって言った。
「悪魔が呪いをかけたのかもしれない」
いろんなことを総合的に考えると、十分にあり得ることだ。
「あの悪魔は復活をたくらんでるんだと思う。だから私達の記憶を奪ったんだよ。力を合わせて自分を倒すことができないように」
しかし、陽菜ちゃんは不満気に顔をしかめた。
「それだとちょっと変じゃない?紗耶ちゃんは悪魔のことを覚えてたし…」
「悪魔の呪いが不完全なんだよ。私達のパワーのほうが強いのかもしれない」
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