天使の誤算~悔恨の自尊心

13/43
前へ
/43ページ
次へ
そして、次の日… 俺は、約束したいつもの公園に向かっていた。 万一、彼女に見られてはいけないから、俺はいつものように近くから歩いて公園に向かっていた。 公園の傍の交差点で彼女を見かけた。 俺が、手を振ろうかと思った時、彼女の後ろに黒い影が現れた。 その者は、静香の背中を思いっきり突き飛ばした。 静香はその反動で車道に押し出され… 耳をつんざくようなブレーキの音… 彼女の姿は、車の陰になっていて見えない。 「静香!」 俺は、自分の姿を実体化し、彼女の傍に駆け出した。 実体化…すなわち、誰の目にも見えるようにすることは可能だが、余程の事情がある時にしか許されてはいない。 しかし、今はその時だと思った。 周りには、数人の人間がいたからだ。 「死にたいのか!」 ドライバーは静香に怒声を浴びせ、走り去った。。 静香は、ゆっくりと起き上がる。 「静香、大丈夫なのか!?」 「うん、大丈夫。」 彼女の膝からは血が出ていたが、車にぶつかったような形跡はなかった。 「とにかく向こうへ。」 俺は、彼女に肩を貸しながら、公園の方へ導いた。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加