天使の誤算~悔恨の自尊心

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* それからしばらくは、何事もなく、穏やかに時が流れた。 もしかして、あの日見たことは、俺の見間違いだったのか?と思う程に。 「ショーン、明日はちょっと用があるから会えない。」 「用事って、どこか行くのか?」 「うん、私の家を片付けて来ようと思ってね。 家賃ももったいないし。」 「そうか、それなら俺も一緒に行って手伝うよ。」 「……いいよ。」 静香は、なぜだか俺の申し出を断った。 しつこく言うのも何か良くない気がしたので、俺はそれ以上は言わなかった。 「そうか、わかった。 ところで、家までは遠いのか?」 「そう遠くはないよ。 バスで10分くらいかな。 でも、お天気が良かったら歩いて行こうかな。 バスの本数、少ないからね。」 「そうか。じゃあ、気を付けて行って来いよ。」 「うん、ありがとう。」 一緒には行けないが、もちろんこっそりと着いて行くつもりだ。 もしかしたら、俺の杞憂かもしれないけれど、まだどこか心配だったから。
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