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次の日は、突き抜けるような青空が広がった。
まだ午前中だというのに、けっこう日差しが強く、気温もいつもより高いような気がする。
(来た……!)
俺は、物陰に身を潜めた。
しばらく着いて行った限りでは、どうやら静香は、昨日の言葉通り、徒歩で行くつもりのようだ。
俺の姿は静香には見えるから、尾行に気付かれないように、少し距離を取って歩いた。
これといった問題は何も起こらない。
俺が考え過ぎているだけだったのか?
そう思っている時、静香は、工事現場の近くを通りがかった。
その時……クレーンで吊るされた鉄骨が急にバランスを崩した。
(あれは…!)
鉄骨の片側に現れた黒い影…
その瞬間、鉄骨は静香に向って落下し始めた。
俺は、静香の所まで飛び、静香の体を思いっきり突き飛ばした。
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