天使の誤算~悔恨の自尊心

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「じゃあ、こっちの部屋をお願いね。 もうここのは全部捨てるつもりだから、どんどんゴミ袋に入れてって。」 「わかった。」 片付けを手伝っている時、俺は、視線のようなものを感じ、ベランダに出た。 (あっ!!) 空に、男がいた。 俺と目が合うと、男は驚いて空高くへ飛び去った。 俺も後を追おうとしたその瞬間… 「ショーン…?」 窓を開ける音に気付いたのか、静香が部屋に来て、俺は、奴を追いかけるタイミングを失った。 「どうかしたの?」 「あ、あぁ、ほこりが舞ってたから、窓を開けたんだ。」 「ごめんね。 長い間、掃除してないから。」 「……大丈夫だ。」 俺の脳裏には、さっきの男の顔がはっきりと焼き付いていた。 確か、どこかで見たような気がする。 (一体、どこで…?) それとも、俺の思い違いなのか? それにしても、なぜ、天使が人間を襲うんだ? それだけがどうしてもわからない。 奴は、静香に脅しをかけているわけではない。 明らかに命を狙っている。 なぜなんだ? 俺には、いくら考えてもその理由がわからなかった。
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