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「では、頼んだぞ。
少しも目を離すな。」
「はい、わかっております。」
次の日、俺は部下であるアーベルに静香の監視を申し付け、天界に戻った。
「あれ、ショーン…久しぶりだな。
最近、見かけなかったが、どこに行ってたんだ?」
「サミュエル…黒髪の天使を知らないか?
長身で、端正な顔立ちの…」
俺は、天界の中でも特に社交的で情報通のサミュエルに、昨日見た天使のことを訊ねた。
「黒髪の天使は比較的少ないが…
長身で端正っていうと、そうだな…ノーマンか、エドワード…ルネス…
あ!ヴィクトルもいたな。」
「ヴィクトル!」
そうだ、確か、あいつはヴィクトルだ!
新入りの紹介の日に、ちらりと見た気がする。
「……ヴィクトルがどうかしたのか?」
「サミュエル!ヴィクトルは、最近、ここに配属された奴だよな?」
「あぁ、そうだ。
とても優秀な者らしく、評判の良い奴だ。」
「奴に最近、何か変わったことはないか?」
「……任せておけ。すぐに調べてみる。」
そう言い残すと、サミュエルの姿は、その場から掻き消えた。
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