常国の退魔師 2 ~幽霊誘拐事件~

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※『瀬を早み岩にせかるる滝川の われても末に逢はむ(あわん)とぞ思ふ(おもう)』 ****   流れの速い一本の川。  真ん中には岩があり、川の流れを引きとめる。  川の流れはふたつに分かれ、いずれひとつになる。  ねえ。  あなたは今  ふたつに分かれた所にいるのね。  こっちに来るのか。あっちに向かうのか。  だから、私は、しっかりと手を繋ぐの。  絶対。離さないと思った。  流れ着く先が私であると信じてる。  ねえ。二葉。 ※百人一首・歌番号、77番。歌人、崇徳陰(すとくいん)  訳;川の流れが速いので、岩にせきとめられて、ふたつに分かれた激流がいずれひとつになるように、今は引き離されていても、のちにまた逢おうと思います。
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