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そう言えば、この前はバターを手作りしたっけ。
生クリームと塩を瓶に入れて、振り回す。振って、振って、どこまで振るんだってぐらい振ったら、水とバターが分離して完成。ちょっと振るのを手伝ったけど手は痛くなるし大変だった。
(まあ。美味しかったんだけど)
出来たバターはクラッカーに乗せて食べました。ご馳走様。
「こら未来。熱中症でダウンしてるんやろうが」
「もう、大丈夫。右狐と左狐のおかげで治った」
「免疫には発酵食品です」
あー。漬け物以外でお願いします。
「そんなすぐ、良うなるか。熱中症なめるなや」
「薬も飲んだし」
「だからて──ってどこに行くんや」
未来の目が泳ぐ。
「えへ」
彩兄の眉がつり上がった。
「言えへんのか」
「えへ」
「えへやない。悪化したらどうするんや」
未来は立ち上がり、支度をしだした。
「よし行くぞ」
「倒れても俺は運べんのやぞ。聞いてるのか。こら未来。未来ちゃん。おーい」
彩兄の言葉を無視して未来は部屋を出たのだった。
兎に角。しばらく退魔師の仕事が無いといいな。
その願いは、このあとの幽霊騒動で難なく砕けるのだった。
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