第一章 1-1 熱中症

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 今日の午前中のことだ。 「遅い。早くしろグズが。その小さい身長さらに低くしてやろうか」  うぬぬぬ。150センチの身長、気にしているのに!  ギラギラと暑い常国(黄泉の国)で、南極のブリザードのごとく冷たく言い放つ、見目、麗しい半妖の二葉に未来は何度も殺意を抱いていた。 「たかが低級の妖魔にどれだけかかっている」  二葉は、どえらい短気だ。  このところ未来の夏休みは、もっぱら常国で仕事だった。  妖魔が出たとエージェントから依頼があれば出動。朝10時には仕事に取り掛かる。だいたい9時に集合。  朝8時には彩兄に叩き起こされ、朝食、支度が終われば9時前には常国に行っていた。  それが、うっかり寝過ごし、15分遅れただけで、二葉はネチネチと嫌みを言い、それがいつもの2倍だった。  こいつ20分前にいても、すでに苛ついた様子で待機してたんだよな。未来は、げんなりする。 「ほんま見習いは辛いな」 「うっさい彩兄」  なんでこんな半妖が一流で、私が見習いなんだか。  と悪態をつけたくもなるが力の差は歴然なのだ。
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