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ふんわりタイプのドレスに決め3種類のドレスに絞り込む。3種類のウエディングドレスを試着し、志賀に携帯で写真を撮ってもらう。
「もう少し、考えさせて下さい」
と松井に言って、純のウエディングドレス選びを終えた。次は志賀のタキシード選びだ。ウエディングドレスに合わせて、色やデザインを考え松井がアドバイスをしタキシードを出してくれる。
「新婦様のドレスですと、このあたりのタキシードが合うと思いますよ」
「そうですか。3種類のどれでも合いますか?」
「えぇ、大丈夫ですよ」
何種類かある内の1つを志賀は選び、試着してみる。志賀が試着室のカーテンを開け、純に感想を尋ねる。
「純、どう?」
白地にクリーム色がアクセントに取り入れられたタキシードに身を包み、純をジッと見つめて志賀が答えを待つ。
(カッコいい……いつもスーツ姿だから見慣れていると思ったけど、やっぱりカッコいいなぁ…)
純が志賀に見惚れていると、もう一度志賀が尋ねた。
「純? どう? 変かな?」
不安そうに志賀が振り返って、自分の姿を鏡で見る。
「ううん。すっごい、カッコいいよ! 似合ってる。見惚れちゃった」
純がそう言うと、志賀は純の方に向き直り笑顔で言った。
「そっか、よかった。じゃこれにしようかな」
「うんっ!」
志賀がカーテンに手をかけ、着替えようとするのを止めて、純は携帯を出す。
「写真、撮っていい?」
「えっ、うんっ」
タキシード姿の志賀を写真におさめ、純はニヤニヤしながら言う。
「携帯の待ち受けにしよう…ふふっ」
「俺はもう待ち受けにしたよ」
「えっ、ふふっ、そうなんだ」
楽しくウエディングドレスとタキシードを選び、松井が話す。
「では新郎様はこちらで、新婦様はこの3タイプで選ぶという事で」
「はい」
「次は披露宴でのお色直しの際のドレス選びですが、いつになさいますか?」
「出来ればこの連休に準備を進めたいので、明日、明後日でもいいんですけど…」
純がそう話すと、松井は手帳を広げ予定を確認する。
「明日は別の方が衣装選びに入っていますので、明後日でしたらゆっくり選んで頂けますよ」
「じゃ、明後日でお願いします」
「分かりました」
2人が打ち合わせを終え、式場をあとにする頃には外は夕方になっていた。
「衣装選びは大変だけど楽しくて、あっという間に時間が過ぎるね」
「そうだな。俺の方は新婦のドレスに合わせるから、ある程度種類が絞られるけど、純の方はあれだけあるドレスの中から1着を選ぶんだもんな。迷うはずだよ」
「あの3種類でどれにするか決めなきゃ」
「うん。明後日はカラードレスを選ぶんだよな。帰りに少し見せてもらったけど、何色にするか決まってるのか?」
「うーん。また迷うんだよねぇ……」
「だろうな」
「ごめんね。待たせちゃうね」
「ううん。色々な純が見れて俺は嬉しい。一生に一度だろ? 色んなドレスを着て選べるのって」
「うんっ」
「それにこの時間って幸せだよな。いい顔するもん、純」
「ふふっ、うん、幸せだよ」
「俺も」
帰りに夕食をして家に着くと、志賀は純を抱き上げてそのままベッドへ直行した。
「約束だよな。今日は覚悟して」
その夜、純は起き上がれなくなるくらい志賀に求められ、力尽きてそのまま眠りに落ちた。純を志賀が揺り起こすが、昼間のドレス選びで体力を奪われ、挙句、志賀に求められ体力が限界だった。
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