Hammerhead

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Hammerhead

「来てくれると思った」  巨大なクレーンを見上げるウッドデッキで、男は大きな身体を伸ばしていた。  蝶が翅を広げるその瞬間(とき)がくる。  もうすぐ真夜中。  差し出されるその手を取って、あるがまま、なすがまま。  こちらに向かい、蝶が飛び立つ。  濃紺の海より深い夜の底へ、道連れで溶けていく。
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