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朝です、もう人が起きてまな板に刃物が当たる音がしています。
いいにおいがしすぎておなかがなります。スパイスはにおいだけで薬ですからね。
おはよう。
うす。
井戸の周りで顔を洗う人たち、でもそこには見たことのない身なりの汚い子供たち。
彼らはどこの子?
近くに住んでいる子、どこからか入り込んで水を汲んでいるというのだ。
ねえと声を掛けると、ピューッと駆け出していってしまう子達。
そのいく方を見ていました。
家の裏は川です。
わき道には足跡、川に向かっています。
すると、ずぼっと脚が、にゅるっとした泥の中に入っていきます。
うわ!
辺りを見ると、足跡はありません、その代わり、四角い後があるのです。よく見ると、その脇に足跡らしいもの。
泥から出てその様子を見ます。
先にある船。
洗濯物がぶら下がっていますが……。
下で何かをしている人たちが見えます。
水を船に上げているようです。
泥・・・板・・・あー、有明海。ムフッ、いけるかも。
「ルシアン、どこ行ったんだい」
「ここー」
「鍋吹いてるよ」
「ウワー、今行きます!」
くせーな、と鼻をつまむアレン。
「我慢しろ、まだか?」
「もうそろそろなんだけどなー」
スープ屋に来る、貧しい子達にこの辺のことを知っている子はいないかと聞き、案内を頼みました。
入り組んだ道。
怖い大人たちを避けるように進んでいきます。
「見えた、あれ、あのでっかい板の辺り」
そのときです。
「マルコ、アレン」
声がした。
アタリを見ますが、誰もいません。
キラッと光りが目に入りました。
「下、足元」
手が出ていました。その手が持っているのは鏡です。
向こうと指差します。
指差すほうへ行くと、その先は大きな川でした。
そこに現れたのは、木の板に片足を載せ、泥をこぎながら繰るルシアンの姿。
二人は、ルシアンに抱きつき、無事を喜ぶのでした。
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