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「絶対にとらないで、必ずみんながもらえるから」
「とらねえで、運ぶだけだ、場所が空いたら、粉を置くぞ」
静かに決行されます。
店の人たちは、腹が減りすぎて寝るしかないといつものように思っているのでしょう。だれ一人来てみることはありません。
決行は静かにされます。
カギをかけてきたぞ。
最後、慎重にね。
カギを返しに行く、これができて終わりになります。
深夜です、朝までかからないで終わりました。
後は、川べりの倉庫へ移動が終わったことの知らせが来れば終了です。
「はー、久しぶりの酒だー」
「いっぱいだけってのと甘いのがなー」
「仕方ねえさ、ガキどもも飲んでいるんだ、でも酒のカスがこんなうまいものになるとはな」
「焼いて食べるのもおつなもんだ、もう少しくれ」
酒かすで甘酒を作りました、大人たちにはそのまま焼いて食べてもらってます、私たちは、砂糖を入れていますが、砂糖は高価なのですが甘みを取るものは結構あるのですね、私が知らないだけで、これはおいしいです。
野菜を煮詰めたものだそうです、十分甘いです。
「体があったまっているうちに寝なさい」
「ほら、二人ならあったかいでしょ」
「ぬくぬくー」
「はー、すまないね」
「湯たんぽ、大事に使わなきゃね」
ピー!
「ねえちゃん」
「ん」
ピー!と指笛を鳴らすベル。
ピッピ―、ピーピー。
無事終わったのね。
うんと言うと。ピーッと語尾を上げ、喜んでいるような音がしました。
すると向こうも同じように返してくれました、これで明日の朝、兵士たちが乗り込んできます。
城では、まだ夜が明けないうちに兵士たちが準備をしています。
それだけではなく、この領地にいる兵士や傭兵たちも準備を始め、城の外は賑やかになりました。
「何事だ?」
その音に財務長官は目を覚ましました。
トントン、トントン、トン、トン。
誰だ?
ジョジです。
「何が起きた?」と扉が開きました。
「今からどこかへ向かうようです」
「どこかだと?」
「私たちもどことは聞いておりません」
「お教えしましょうか?シスタージュジ」
え?
「ひっとらえろ、あけますよ、財務長官」
バンと開けた扉に立つ兵士たち。
「何か、メルク国とのつながりになるものがあるかもしれぬ、この部屋のも隅から隅まで調べろ!」
「何事?」
「なにって隠さなくてもいいですよ、昨日の夜は、ベリシュール商会で、たらふく食って、酒も飲んできたのでしょう?二日酔いではありませんか?」
「知らない場所だとかおっしゃっていた割に毎晩のように出て歩かれておいででしたね、あなたが行った場所はちゃんと押さえてありますよ」
「は?税金の事で、ちゃんとこの領地のシスターやブラザーと動いたのだ、おかしなことは何もない」
シスターの腕をねじり上げている男がフードを取りました。
「お、お前は」
「ええそうですね、初日には私を散々連れまわし、疲れただろうからと次の日から変えましたよね。今捕まえたこの女、それにヤコブ、白状しましたよ」
「なにをだ?」
「これ、知ってます?」
そこには紙に書いたネズミの絵。
「なんだ、ネズミの絵ではないか?」
「ええ、そうです、これ、この領地に出没する大泥棒が残していったものだそうです、ほら、あなたの今寝ていた頭の上、同じものじゃありませんか?」
すると財務長官は慌てて、目を動かしました。
驚く人。
ベッドの上には大きな鼠が書かれていたのですから。
「ベッドに何かお隠しかな?」
「隠してなどおらん!」
「そうですか、ではかまいませんよね、ベッドの下だ!」
「やめろー!」
ちゃんと財務長官の後をつけていた物がいたんです、ベッドの下には、ワイロと大事な物が置いてあるとね。
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