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むすっとして腕を組んで私をにらんでいる第二皇子ですが、私は第一皇子を見た時、黒い髪に驚いたのです。
先祖返り。
彼もまた、母親に強いられつらい思いをしてきた一人でした。
そして、二人は、国を取り戻すために、どうしたらいいか、今いる人たちだけで話し合いをすることに、そこに私も入れられてしまいました。
「ネズミの事は王都でも噂になっている。うまく使えないか?」
第一王子は微笑みながらそういいましたが、エルは、私に、お灸をすえるためここに置いたのです。
「財務長官も使えますね」
「そうだな、もって帰るのは、宝石類や金銀、食いものより宝物だもんな」
「それでこれですか」
テーブルの上には、髪の毛の束が並んでいます。
王妃様は私の頭を見て、女性が髪を切るなんて、つらい思いをしたのですねと抱き着いてきたの、やさしい人でよかった。
この髪は、また生えるのならと彼女たちの髪を切り落とし、もっていた装飾品などと一緒に箱に収めたの。
イケメン二人、いくら、メルク国の王妃の血を受け継いでいるといっても、こんなイケメンなら、奥方様もさぞかしきれいなんでしょうね。
そうか?という人ですが自分もそうだからわからないのよ。
王子二人には残ってもらうことにした、政治はここからでも配信できる。
関所、王都の領地からここまでの間をふさぎ、王都からくる人、モノを徹底して調べて、ここに変なものを入れないようにする。
それと川、こっちは私のにらんだ通り、南の国が一枚かんでいた。
そっちに、第二皇子エルを派遣、しっかり調べてくるように頼んだ、第一皇子には、エルの祖父たちのいるオーラヴェント国へ行ってもらい、今何が起きているか話してきて、応援を要請できないか頼んでくる。
そして、カイン様とアリア様には、北の国シューセッツへ、危ないところなので二人の方がいい。
メルク国の王たち戦いの好きな親戚どもの一網打尽。この国の王妃ジルベアの最後。
二人はもしジルベアが死んでも何も残らないからいいと言った。父親でさえ、その心づもりはできているだろうと、この国が平和になるのなら死も覚悟だと言われたのだ。
死、それは誰も望まない、この国の再建は二人の皇子にかかっているのです。だから絶対に死んではなりません。
未来のため、二人には生きてもらうしかないのです。
そして私は。
まあその話は、又後にしましょうか?
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