第九話 隣の領地とぶどうジュース

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歩き出す私達の姿を見る影がありました。 「俺も行きたかったなー」 「ハハハ、あの子と一緒になりたいのだろ?リュア」 え?あ?まあ。 「あそこまで一人で来たのにはわけあると思ったが、誰も死なせない、死ぬ必要はないといったあの子を守るのがお前の務めではないのか?」 「ええ、そうです。兄上、行きましょう、生きて、この命果てるまで生き抜いて見せましょう!」 「ああ、死ぬ覚悟ではなく、生きる覚悟をもとうではないか!」 アルドバール商店での事件後、報告会が行われ、すべてに決着がついたと思ったが、それは始まりでしかなかった。 兄に続き、俺も、この国を守るなら死も覚悟すると言ったらアイツは。 「ストーップ!お二人とも、その考えやめて下さらない?何で死のうとするのが前提なのよ。いい?人の命は、たかだか七十才で終わるの、みーんな終わるの。 その命を、何で玩ぶわけ? 国のために死ぬ?そんなバカげたことよりも、国民をいかに幸せで長生きできる国にするか考えなさい。 国のためにしにたけりゃ、今戦っている最前線に行きなさい?死んだって誰もその死を名誉のしだなんて思わないから。 人間だれしも死は怖いもの、あそこへ行って死んで来い、はいそうですかなんて人はいないの。必ず命令する人から何かにしばりつけられしなきゃいけないように仕向けられる。それがテロリストの考え方であって自分からおもむく事のない裏の首謀者なのよ。 誰も死なせない、死ぬ必要なんてないんだからね! いい、第一皇子、アンタは、父親と母親のしりぬぐいをしなきゃいけないの、それを子供に背負わせる気?違うよね!ここで精算しなきゃ、かわいい子供たちにずーっとつらい思いをさせるの、わかってる? 第二王子!冒険者になりたい?冗談、なりたきゃもうなってんのよ。できないんだから、兄貴の手伝いしなさいよね。 二人とも、アンタらの足元には何万もの人の命があるの、それを軽く踏みつけた女王、そして、何を考えているかわからない王様も、見て見ぬふりをしているなら同罪だわ。しっかりお灸据えてやる事ね!死ぬことより、生きてどうするかを考えなさい!わかった!」 くくく。 どうした? いえ。 「すべてが終わったら、その時、盛大に結婚式を挙げるか?」 「はい!」 そんな王子たちのことは置いといて。第三王妃様は子供たちをまもるためにも、教会の子供たちの面倒をも見てくださると言ってくれたそうです。そこはありがたくお受けしました。 料理長たちにもくれぐれもみんなのことを頼んできました。 スープ屋はシンシア達がいるので大丈夫、任せます。 期間はできるだけ早く、長くても半年で何とかしたい。その思いを持った王子たちも、しっかりと地盤が固まったら、その時王都へと向かってくれます。 その時は大軍隊が彼らの後押しをしてくれることを祈ります。 私たちは、まず隣の領地の中心へと向かうのでした。 一足先に王都へと戻った人たち。 財務大臣は、連れ帰ってきたが向こうで病にかかったと、手紙と、その箱を持って行ったのは。グッドマンの一人です。 連れ帰る事で、何が起きても対処できます。 「中身は?」 「わかりません、フウがしてありますので見てもおりません、ただ、王妃様に渡してほしいと頼まれました」 「そうか、何か変わったことはなかったか?」 兵士、カール様は、結局第二皇子と会えなかったこと、ただ税金の報告書は、できているので、確認のほどを。 「それだけか?」 「ええ、それだけにございます」 そうかと王様は肩を落とされたそうです。やはり食わせ物のようです。 王妃に来た荷物を王様もみようとしましたが見ない方がいいと諭されました。 いいではないかとひと悶着あったようですが、そこは何とか乗り越えたようです。 今は王様には皇子たちのことが知られるのは困るので、皆には、知らないふりを演じてもらいます。 兵士たちは、仲間たちを、グッドマンたちは、城の中にいる王妃にくっついているものたちを探し出します。
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