第十話 ソーセージたっぷりポトフ

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第十話 ソーセージたっぷりポトフ

すんなりと隣の領地最大の町カルクへ入りました。 街の中へ入るとすぐに大きなシンデレラ城の様なザ・お城と言う建物が見えます。 高い場所にあるので、大きく見えるのです。 「三年前とは違うな?」 「にぎわってるね」 本来こう言うものだと思う。 「お城の門が見えてきた」 「おい」 「なんだありゃ?」 みんなが顔を出しました。 跳ね橋の前には何と、見渡す限りに並んだ、ビニルハウス。 「はー、すげーな」 「やるねー」 「とにかく中に入ろう」 ガタガタと音をたて城の中へ入ると、またしても?ここは何もない土だけの広場だった場所ではなかったか? 「ひえー」 「家よりでけえ」 「ここはなに?」 「教会だな」 それは探す手間が省けた。まずはセシルの所へ行きましょう。 「馬車はこちらへって書いてあるよ」 「絵も描いてある、ルシアンみたいな人はこれでわかるね」 馬車の絵と矢印。それを見て私を見てクスクス笑う子たちです。 馬車を止める所に行くと子供が飛び出してきました、その子の案内で、馬車を置き、中へまた違う子が案内してくれました。 「え?じゃあスープ屋の!?」 「何で驚くんだ?」 「だって、ルシアンさん一人で来るって聞いていたから」 「ごめんね、大勢で押しかけちゃって」 「いいえ、大丈夫です、そこは任せてください、私達にとっちゃ。ル・ラータは英雄なんですから」 「英雄カー」 「図に乗るなよ、英雄はルシアンだけでいい」 「オー、セルがまともなこと言ったぞ」 「そんなじゃない、やめろよ」頭をみんながなでています。 「どうぞ、こちらでお待ちください、マネージャーを呼んできます」 「オーすげー、さすがもと貴族」 「あー、ねえ、ねえルシアン、これ」 「綺麗に飾ってある」 そこにはみんなの笑顔の写真が飾られていました。 バタバタ走ってくる音がします。 「ルシアン!」 飛びついいて来たのはピンクの髪をしたかわいい女性です。 「セシル!元気だった?」 「元気!」 みんな、元気と次々抱き着いていきます。 そしてまた私に抱き着くと。 「あら?まさか、この子、王子との子?ルシアン結婚したの?」 違う、この子も捨て子。なんだかほっとしたと言いました。 彼女、セシルはシンシアたちと同じころ仲良くなりました。 彼女はみんなの中では一番年上でしかっりモノでした。 ルシアンという名前と未来(みく)と言う本名に彼女はなぜそんな事をしたのか聞いてきました。彼女も親を亡くし、一人彷徨うように南へ逃げて来た子です。 ただ彼女の場合、違ったのは彼氏がいたことでした。 彼は、戦場へ行って、名をあげると勇んでいったそうです、生きて帰ったのならまだしも、死んでしまったら何もならないのにとセシルは言いました。 死んだの? たぶん、彼がいった場所から命からがら帰って来た人がそんな事を言っていたそうです。 私はこの世界へ落ちて来た話をしました。 彼女はその話をからかうことなく真摯に聞いてくれたのです。 「そっか―、女の名前、ましてや知らない世界の生だと怖いと思ったんだ、それでルシアン」 「うん、おかしいかな?」 「いや、いいんじゃない、それで、チビたちには外では男、ここでだけは女と言うふうにおしえたんだ」 「めんどうくさくてごめん」 別に名前で呼ぶ分には性別は関係ないよね。 セシルにだけは素直に話せた。彼女は聞き上手で、子供たちも信頼している。 どうぞゆっくりできるの? なんて話をしながらお茶をいただきました。 一泊させてほしいこと、それと教会や領主代理とも会いたい話をした。 教会に行けば会えると言われ、泊る所はすぐに用意するわと言ってくれた。 後で案内して。 もちろん。 「それで?手紙にあった話は本当なの?」 「ええ、このままじゃメルクに飲まれるのは時間の問題ね」 「戦争から逃げて来てやっと落ち着けたのに」 「そうね、悔しいよ」 「それでみんながついて行こうとしてるのは何でなのかなー?」 「イイダシッペはセルだよ」 「俺かよ!」 「まあ、未来(みく)一人だとなにやるかわかんねえし」 「何よそれ、私の監視なの?」 「捕まったら誰が出してやるんだ?」 「ああそうか」笑われました。 「もう、足、洗ったんじゃないの?」 「まさかー」 「うそでしょ!」 実は。 アルドバール商店で、香辛料をたっぷりと。それにお宝も……。 もう!と目に手を当てた。 「又手出したの?」 「ごめん、見たら勝手に!」 「こりゃ監視が必要だわ」 みんなが笑っていた。
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