第十一話 ビーフシチュー

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その夜、ブラム亭に、二人は泊まる事となりました。 「うんめー!」 「又おいしいものを、これは手が止まりませんわ」 ゆっくり食べてください。 ビーフシチューです。 領主エードが捕まったことで教会の拠点をこの村に移した事が事の発端でした。 資金が底を付き、盗賊まがいのことをして食いつないでいたわけですから、悪いやつらも自然と集まってきたのです。 村長はそれをいさめるべきですが、甘い汁をすっていただけにそれにのっていたのです。 結果、この村は、悪人が住む村と成り果ててしまった。 村長からも資金をむしり取っていたから奥さんは教会といったとき渋い顔をしていたのだ。 「おかわり!主、酒くれ、この酒うまい!」 「もう寝るだけなんだから半分にしときなよ」 えー! 「朝も食べられますしね、楽しみです、ルシアン、お弁当も」 わかってますよ。 「ハイ、どうぞ、シスターは?」 「私はけっこう」 「ではお茶を」 主が下がるとアリア様は、だいぶあせっているようですねといわれました。 まさか、二人が生きているのがばれた? そうじゃねえ、ツナギが取れなくなったのが大きいな。 そっちか。実はさ、ジュジの変わりに動こうとしたけど下手こいたら恐いからやめた。 まったく、正解だけどな。 まあ、狙いはわかりましたしね。 それは私が見立てたとおり、北の進行は硬直状態で、いつでもこの国を攻められるようにしているという状態。だから北の方の進行は今はこれ以上はない、時をまてば責められる。北の国の王には、今十分休んで、機を待ってほしいと話してきたそうだ。 「お待たせ、お茶です」 「ありがとうございます、それで、いつたつのですか?」 実はね。この宿屋の話をした。 「あら、おめでとうございます」 「めでてえな、それで手伝いか?」 手伝いを頼める人がきたらと思っている。長くても二日で立ちたい話をした。 主人は、何から何まで手伝っていただいて感謝していますといってくださった。 「新たな気持ちで一から出直します」 「一から出直しか、がんばれ」 「がんばってくださいね」 「ハイ、ありがとうございます」 部屋に行き、少し話をしました。 ツナギを取っている人、中心人物は誰なのでしょうか? それがわからないというのだ。 王都へ行ってから調べなければ、どうにも見えないことが多すぎるというのです。 ただ一つ気になっていることがある。 何でしょう? カール大佐だという。 どういうことですか? 彼は総指揮者だ、王様の次に、兵士を動かせるのに、なぜエルージュくんだりまで、大佐直々に来たのか不思議だという。 王様に頼まれたからではないのですか? 「ここだけの話にしてくれ、俺は、案外アイツも危ないんじゃないかと思っている」 まさか? 「私もそう思うところがあります、第一皇子が逃げてきたというのに違和感を覚えました。案外お二人を始末するつもりでいたのかもしれません」 でもしなかったですよね、どうして? 「お前がいたからさ」 「私もそう思います」 「私!」 「一応いいなづけだしな」 それだけ? 「いや、んー、でもこれはなー」 はっきり言えないの? 「まあな、只きおつけろ、誰も信じるなと言いたいが、俺もなー、あんまり言えた義理じゃねえからなー」 「それでも、ケイルはしんようできませんか?」 私は首を振ると、頭を書き照れるおっちゃんです。 とにかく、どこでどんな輩が聞き耳を立てているかわからないから、十分注意しながら生きなさいと言われたのでした。 次の日の朝、二人は出て行かれました、みんなは盛大に送りました。 お二人も十分注意なさってくださいと、特製弁当を渡しました。 まだ、これからです、今回はたまたま運がよかっただけなんです。 私は東の空を見上げました。 「さて、がんばらなくちゃ!」
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