第十二話 あつあつ焼きショウロンポウとボルシチ

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「スマンが一泊頼みたいのだが」 「お一人様ですか?」 「ああ」 「お部屋は二つ、一つは、ベッドだけです、もう一つは部屋の中に洗面所等がありますがいかがなさいますか?」 「金額も違うのか、寝るだけでいいんだがな」 「では、こちらの一番安いところで、お食事は別、トイレ、風呂、洗面所は共同でならびにありますので、こちらでよろしいですね?」 「ああ」 「受付、はなれます、ご案内いたします、どうぞこちらへ」 「ウワー、明るいのね」 いらっしゃいませ。 「二人泊まれますか?」 「一泊ですか?」 ええ。 部屋がいっぱいで、一つしか空いていないのですが、このお値段で大丈夫ですか? 食事は付いていないのですか? お食事はこの値段になります。 「すみません、スープ屋さんの食事は取る事はできますか?」 「すみません、夜は中華屋になるので今だけ別になります」 キャーと声を上げた二人は大喜びです。 「夜の食事をお願いします!」 「朝はいかがしますか?」 「あのー?」 「はい?」 「いいんですか?」 なにがでしょうか? 朝食、安くありません? そこには、夕食ディナーセットお一人様銀二枚。 朝食、軽いお食事です。ドロップ三枚。 たいした物がありませんので、ですが満足していただけると思います。 「おねがいします」 「楽しみね」 「お二人ご案内お願いします」 はい! 「本当に狭いな、だが十分だ」 「では何かありましたら受付まで」 「ちょっといいか」 「なんでしょうか?」 「これは?」 「ああ、お風呂セットです、こちらはサービス品となっておりますので、お使い終わったらお持ち帰りいただけますよ、お風呂に行かれる際はご利用ください」 ああそれと部屋を出るときは鍵をかけ腕につけてなくさないようにお願いしますね。 ああ。 風呂?行ってみるか? 「はー、こんなところでテルマエに入れるとはな」 「んー、最高だな」 「明るくて、いい宿だ」 「次も使わせてもらおう」 温泉も明るくしました。セットには、入り方も書いてあります。石鹸、タオルは二枚、一枚は少し大きめ、バスタオル代わりになります。 油の火で明かりを取るのをやめました、私が持っている大きな魔石、これで数年はもつでしょう。 はー、早く終わらせて私も入りたーい! 終わり、終了! 「次は夜の下ごしらえだよ」 「はい」 「奥さん大丈夫かい?」 「ええ、なれないんですけど楽しいです」 「ハイ、お願いします!」 「あの子もアンナ細腕でよく働くね?」 「子供たちには負けてられません!」 「ああそうだ、やっちまおう」 村長の仕事はマッシュ領の教会から派遣されてきたシスターたちがしっかりとホロウさせていただきます。 これからは人任せではなく、本来の仕事をしてもらいましょう。 そして奥様は厨房で、娘さんは、受付で働いていただいてます。 そして二人の子は。 「もう、だめー」 「ほら、こうするんだよ」 「きゃー!」 「「子守大変!」」 働きたいと来てくれた人たちの子供の面倒を見てもらっているのです。 「ご苦労様でした、日雇いの方はこちらへ、明日の方はお疲れ様でした、ごゆっくりお休みください」 「名前は?」 「ルル」 「ルル、ハイ、今日はありがとうね、もし、よければ又きてくれる?」 「うん」 「ありがとう、ここにね、指をこれにつけたのでぎゅっとして、お金をちゃんともらいましたって言う証拠ね、落とさないでね」 「うん、ありがとう、さようなら」 「はいさようなら」 「次ぎ、フィー」 「フィー、お昼すぎからか、ごめんね、みんなよりは少ないけど、四時間分です」 お金を目の前で袋に入れてやります。 「ありがとう、もっと早くに来てもいい?」 「うん、助かる、来れたらお願いね」 「ありがとう」 「ルシアン、変わる、厨房頼める?」 「レナ、あの子、気を付けてあげて」 貧しい子で、言葉が分からないのか指をくわえて、あちこち見ています。 ただ仕事は、これをしてねと言うとちゃんとしてくれました。 「はは、なつかしいな」 「おねがいね」 「おっけー」 さてと腕まくりをして、厨房へきました。
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