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「ルシアン、ちょっといい?」
なに?
そこにはこの間の兵士の皆さん。
「先日はありが」
「シスター!ぜひ、今日のスープを教えていただけないだろうか!」
「お願いします、赤カブが、こんなにうまいスープになるなんて」
どうか教えてください!
いいけど、手に入りにくいものがある。
何ですか?
トマト。
それなら瓶詰めがあるという。
サワークリームは、生クリーム二百ミリリットルにプレーンヨーグルト二十ミリリットル混ぜて、きれいな容器に入れておけば自然発酵する、入れ物を傾けても流れ出なければオッケー。
赤カブ、ビーツはこの村の特産らしい。今のじき食べるものが乏しいのに、まずいというのだ。
それじゃあ追加を作りましょう、手伝ってくれますか?
トマトの三分の一は煮詰めてケチャップにする。
ビーツは、赤い色が出るから白い服でやるとだめ。落ちなくなるよ。
ちょっと太目の千切りにして別の鍋で煮ておく。
最後にあわせるからね。
ジャガイモ、玉ねぎ、にんじん、キャベツ。牛バラ肉は塊でスープを取り、チキンブイヨンを入れて煮る。チキンブイヨン?
アーこれ、前の日に、鳥の骨で採ったスープ、プルプルでしょ?これが溶けておいしくなるの。
ローリエを入れ一時間ほど煮たら、お肉を入れたまま覚まし、手で触れるくらいになったら細かく切る。
にんじんは太目の千切り。
ジャガイモはごろごろ、半分か三等分。キャベツは心を残し、くし切りにしていく。玉ねぎのスライスも太め、油を入れ軽く色が付くまでいためる。
牛肉を出したスープにチキンブイヨンを合わせ野菜を入れ弱火で野菜が柔らかくなるまで煮る。
別なべにスープを少し取り、ビーツだけ煮る。柔らかくなったらトマトケチャップとにんにくを入れる。
野菜のほうに肉を切って入れ、トマトピュレ、ケチャップで煮て、最後にビーツをスープごと入れ、塩、こしょうで味を調える。
サワークリームを落とし完成。
「んー、このケチャップはなんにでも使えそうだ」
「まずい赤カブがうまい」
この時期の生はあまりおいしくないそうです。
まあ火を通せばいいので、出来るだけ、丸ごと調理をして使いきってください。
ああそうそう。
ビーツは妊婦さんにいいのでたまに食べさせてあげてくださいね。ガイルさんは大喜びで返事をしていたわ。
三時で終了、その後、夜に向け準備。
その日、多くの人が手伝ってくれました、それと、もともと手伝ってくれていた人が来てくれたので、後をお願いして私達は明日の出発に向け寝たのでした。
ピー!
上を見上げると回転している鳥。
腕を出すと、下りてきた。
「ルシアン様ですか?」
「なぜわかる?」
顔がほころんでますというB。そうかとほほを持ち上げた。
鳥にえさをやり、脚にはめてあるものをとった。
「ハァ」
どうかされましたか?
「短い!」
と渡されたのは短い手紙です。
それはそうですよね、さすがルシアン様はわかっておられるようですね。
「早くこっちも片付け、王都へ向かうぞ」
「はい!」
手紙には、『片付いた、次にいく』とだけ書いたのです。それだけで十分ですよね。
朝、出かける準備をしている私に声を掛けてきたご主人。
私にありがとうと頭を下げてくれましたが、これからが正念場です、もしものときは、逃げてください、又何処かで会えます。
「ルシアン、私たちは何かできないだろうか?」
私はそれを聞いてこういいました。
「どうか、戦争で行き場をなくした人の手伝いをしてあげてください、それだけで、明日も生きようと希望の力がわくんです」
「そうだな、気おつけて、王都で変なものがはやっていると聞いた」
「変なもの?」
「盗賊団らしい、狼とか言っていた」
へー。
私は駆け足の三日間だった事をわび、レシピ集を渡しました。
「これからは、ご主人と奥様で、このレシピを増やしていってください、アー、それと、お風呂にはいりたいので、いつになるかわからないけど、よりますから、絶対よるからね」
「ハハハ、まってるよ」
「まってます、ありがとう」
それでは皆さん、またお会いしましょう。
「みなさん帰りにでも寄ってください」
「んー、お風呂に入りたいからすぐにでも着たい」
首根っこをつかまれ、馬車にポイとされました。
マルコの行けず。
時間がないんだよ。
「すみません、またお願いしますね」
「それでは皆さんごきげんよう!」
ばいばい!
「元気な赤ちゃん生んでくださいね!」
さようなら!
さあ、王都です、三日後には何もなければつく予定です。
「あー!うー!」
ん?
空を指さす、ケンタにみんなが空を見上げます。
「うわー」
「きれいだな」
青空の向こう、虹がきれいにでていました。
向こうは雨上がり、いい天気ならそれでいいです!
「王都へ行くぞ!」
「はーい!」
「返事した、ハハハ」
どこで覚えたんだか、ケンタは賢いです。
おしまい。
まだまだ続くよ!
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