プロローグ

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プロローグ

遺書 これを誰かが読んでいるということは、私はもうこの世にはいないのかもしれません。気分を害されたのなら申し訳ありません。続きを読まずに捨ててください。もし読んで下さるなら、弱虫の私にお付き合いください。 最愛なる弟へ。最期まで力になれなくてごめんね。こんなことしても意味ないことは分かっているよ。だけど何をしてても苦しくて、毎日怖くて眠ることもできなくて、生きることに疲れちゃった。結果として自分で生涯を閉じることにしたよ。弱くてごめんね。ちゃんと立派に大人になって幸せになってね。私ちゃんと見てるから。今まで本当にありがとう。また会う日まで。 最後まで読んで下さった親切な方。図々しいお願いなのですが、弟を助けて下さい。お金とは言いません。手紙でも物資でもいいです。もし、助けて下さるような善意の塊のような人でしたら、以下の住所に遺書と合わせて送って下さい。自宅の住所ではなく、私設私書箱宛で弟の家に転送するようになっています。 大阪府・・・・・・ 池村葉月
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