あまのじゃく

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 ダメちゃんは幼馴染で、保育園の頃からの付き合いです。  ダメちゃんっていうのは僕だけが使うあだ名、由来は口癖です。分かり易いですよね、何でもかんでも直ぐ『ダメ』って、言うんですよ。  …………ええ、お察しの通り、子供の頃は酷かったです。ダメちゃんがお得意の『ダメ』を繰り出す度、僕はそれを我慢出来なくなる。親は何度も保育園に呼び出されましたし、僕は周囲からかなり特殊な子供だと思われていました。  でも、それでも面白がって、ずっと側にいてくれたのも、ダメちゃんだけだったんです。ダメちゃんだけはすっかり孤立してしまった僕に、変わらずダメと言い続けてくれました。  お陰様で、左耳を塞げばいいっていう対処法も直ぐに見つかりましたし、僕は、天邪鬼を逆に利用する方法も編み出したんです。  きっかけは、小学校一年生の夏休み。ダメちゃんが家に遊びに来ていて、でも、宿題が全然終わってなくって、焦ってドリルをしていた時に、ダメちゃんがこう言ったんです。 「もー遊ぼうよー、宿題やっちゃダメ!」 『みいいいい』 フンフンフンフンフン…  そうです、僕、ダメと言われると、どうしても我慢出来なくなるんです。
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