2 記憶

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残りの課題を終わらせないといけない。 俺はまた椅子に座り、さっきの続きの問題を解き始めた。 それから小一時間くらい経っただろうか。 「ふぅー課題終わったぁ」 時計を見るともうすでに11時を回っていた。 明日の準備を済ませ、ようやく寝ようとしていた時、珍しくスマホの通知音が鳴った。 例の女の子からだった。(名前を呼ぶのはまだ恥ずかしいから"例の人”という事にする) だいたい例の人とは一日に1往復LINEをしていたはずなのに、今日は違うようだ。 気になってスマホのロック画面をタップして確認する。 「そういえば私ね、昨日変な夢を見たの」 「そこにね、海陸くんいたんだよ」 とふたつ続けてメッセージがあった。 やけに真剣な文面が気になって仕方がなかったが、俺は返事をしたい気持ちを抑えてベットに潜り込んだ。 「早く寝ないと、明日から学校だし」 一応男のプライドってもんがあるだろ。 ほ、ほら、もう寝たのかな?って思わせて、 気を引かせる作戦ってやつ? まあいいやとにかく寝よう......。 最近の疲れのせいか、俺は目を閉じるとすぐに浅い眠りについた。 どんどん手足の余分な力が抜けて、瞼が重くなる。フワッと体が持ち上げられるような感覚に抵抗できず俺はそのまま暗闇の中に落ちていった。
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