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ここは、どこだ。
俺は浮いていた。宇宙空間のような、美しい場所でただただ浮いていた。
周りには小さな星粒が数え切れない程輝いている。
しばらくその不思議な空間をさまよっていた。
どこを見渡しても星だらけだ。
すると突然どこからともなく声がした。
「......は大丈夫だよ。」
目を凝らして前方を見ると光の中に少女のシルエットが見えた。
「誰だ......?」
美しく透き通った声。
なんて言ったのかははっきりと聞こえなかった。
少女は俺よりももっと先の空間を、ゆっくりと歩き出した。
「待って!」
咄嗟に俺は叫んでいた。
少女の後を追うように必死に手足を動かす。
しかし、いくらもがいてもダメだった。
どんどん先を行く少女には追いつけなかった。
次の瞬間、美しい空間が歪み始めた。
どんどん宇宙空間が崩れだして、止まらない。
そしてぶわっと眩しい光に身体が包まれて、何も見えなくなってしまった。
俺は眩しさのあまりぎゅっと目を閉じた。
次に目を開けた時、俺は暗い部屋で1人仰向けになっていた。
焦って時計を見る。
時計の針は午前3時を指していた。
「なんだ、夢か......」
安心してふぅーっとため息をついて、俺はまたベットに横になった。
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