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プロローグ
むかしむかし、まだ騎士やお姫様がいたようなむかし、魔法や不思議な生き物たちがそこここで静かに暮らしていた。暖炉の火が突然消えることを妖精のいたずらと呼んだり、風もないのに木に引っ掛けていたジャケットが落ちるのを精霊が通ったなんて呼んだりした時代。
魔力を持った人間もいるにはいたが、ひっそりと隠れて暮らしていた。できることと、できないこと、それぞれが違っていて、力の強弱も違う。本人の意思で得た力ではない。そんな理由で彼らは力を隠して暮らしている。
けれど、彼らは思いのほか身近にいるものだ。
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