白い灯台

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 葉月果夏、17歳。  東京にある私立桜山岸高校二年生である。  しかし、現在は休学中。  東京から電車を乗り継いで五時間程の祖父母の家、海辺の田舎町で暮らしている。  このまま夏休みもここで暮らす予定だ。    果夏が生まれる以前は夏になると、海水浴場があるこの町も少しは賑わっていたそうだ。  当然、果夏には賑やかだった記憶はなく、静かな海辺の村っていうイメージしかない。  ここでは自分のことを知っている人間は祖父母とその知人の極一部だけだ。だからいい。  いや、それは東京だって一緒か。  自分のことを知っている人間なんて人口比で言えばほんの一握りなんだから。  でも、違う。
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