白い灯台

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 「おばあちゃん、ただいま!」    「おかえり、果夏ちゃん。朝ごはん、用意できとるよー。」  「ありがと!   お風呂でシャワー浴びてから食べるね。ついでにお風呂掃除もしておくから。」  祖父母の家は海辺の料理旅館、いや民宿なのかな、でも、「旅館 葉月家」となっているから旅館でいいのかな、まぁ、そんなのを営んでいる。  目の前には小さな海水浴場があり、昔は海水浴客で繁盛したらしい。  今はすっかり寂れてしまっているが、  長期休みになると大学生の吹奏楽部の合宿なんかに重宝されているとのこと。  こちらに来て最初にそれを祖父から聞いたとき、正直、しまったと思った。  それを知っていたら来なかったのに。  でも、祖父は長期滞在を許可するかわりに旅館を手伝うことを条件にしていたので、うまくやられた。    繁忙期にはアルバイトを二人程、雇うらしいが、その一人を私で浮かすことごできたわけだ。      まぁ、学校を休んでるわけだから、何か手伝っていた方が、私の罪悪感も多少は薄まるというものか。  今日は宿泊客はいない。  昨日もいない。  明日もきっといないだろう。  夏休みに入るまでは平日はきっとこんな感じ。  夜は意外なことに、結構、地元の会社や青年団、消防団などの親睦会で団体客が入る。  大広間での宴会になるが、お酒が入るので果夏は宴会前の配膳だけを手伝うことになっている。  大人の男って集まってお酒を飲むとなんであんなに下品で粗暴で気持ち悪くなるんだろう。  本当にいやらしくて嫌。
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