白い灯台

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 朝食はシンプルな和定食だ。  この地方特有の赤味噌の味噌汁はとても美味しい。  メインの焼き魚は日替わりだ。  今朝は鮭の切り身。  タコの酢の物。  炊きたてのごはん。  納豆と海苔も用意してある。  宿泊のお客様がいるときの朝ごはんはこれをお膳に乗せて部屋の人数ごとに広間に用意する。  ごはんと味噌汁はおばあちゃん、それ以外の料理はおじいちゃんが担当している。  どちらも丁寧でとても美味しい。  母が作るごはんを不味いと思ったことはないんだけど、根本的に違うというか、一つ次元が違う感じがする。  調理場の横にあるテレビやダイニングテーブルがある休憩室で果夏はこの朝食を頂く。  おじいちゃんとおばあちゃんはもう済ませたみたい。  二人の朝は果夏よりも早い。  「おじいちゃんは?」  「清ちゃんとこの畑を手伝いに行きよったよ。」  はぁ、なんとまぁ、働き者だ。  この地域ではお互いの繁忙期に協力する習慣がある。  この旅館も昔は近所の主婦の方にだいぶお世話になったみたいで、今はその頃の恩を返しているんだって。  「私も後で行こうかな?」  「熱中症にならんように、お茶と帽子を持っていきんよ。」  日焼けの後がつかないように長袖にしなきゃ…  って、あぁ、そんなこと気にしなくていいのか、どうせ出ないんだし…。
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