再び白い灯台

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「 原田さんから昨日、ギフトの話をきいたよね?   俺もそれ、すごくわかるんだ。   俺、高校生の時からトライアスロンやってるんだよ。   毎日毎日、スイム、バイク、ランの練習してさ。自分では本当にこれでもかってくらい頑張ってるだぜ。」  うん、それは知ってる。ここでアルバイトしている間だけでも、健太の本気は伝わる。果夏は心の中でそう呟いた。  去年のインカレ(大学選手権)、全国から300人くらいが参加した大会があったんだけど、俺、何位だったか知ってる?」 「 知らない。10位くらい?」 「 残念。197位。」 「 え!?」 「 もう、嫌になっちゃうよ。大学生から競技を始める人だって多いのに。   あんなにトレーニングもしてるのに、100位にも入れないどころか、真ん中より下なんだぜ。   全然、才能無いの。悔しいけど。」  昨日、原田と話しをしたときと同じように言葉に詰まってしまう。 「 練習は苦しいし、悔しい思いばっかりしているのに、トライアスロンを止めようと思ったことは不思議と無いんだよ。   それは、やっぱりこの競技が好きだからなんだと思う。  ちょっとマゾっぽいかな?」  果夏は首を横に振った。 「 何がきっかけで果夏ちゃんが競技から離れたのかは、俺は知らない。   けれど、いつかまた果夏ちゃんがあの場所に戻れる日がきたらいいなって思ってる。  だって、オリンピックでメダルが狙えちゃうくらいすごい選手なんだから。  それに、飛込みをしている果夏ちゃん、すごく楽しそうだったしね。」
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