エピローグ

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エピローグ

「 ねぇ、健太がここにアルバイトに来たのも偶然?    な訳ないよね。」 「 俺のじいちゃん、葉月果夏の世界一のファンだからね。   原田コーチからここに居るって聞いて、じいちゃんに送りこまれたわけ。   アルバイトでお金も稼げて、トライアスロンの練習もできて、しかも葉月果夏もいるなら断る理由なんてなかったけど。」   おじいちゃん?  世界一のファン? 「 あれ?ピントきてない?   スマホで雨崎宏で画像検索してみなよ?」  言われた通り、検索してみると、 「 あれ? 山さん!」 「 そう、山さん。   ちなみにじいちゃんの名前は林三郎っていうんどけど。   昔、『太陽に叫べ』っていう刑事ドラマがあって、それに出てた俳優の雨崎宏にじいちゃんがそっくりで、その雨崎宏が演じた役名が山さんだったんだって。  それ以来、職場ではじいちゃんのことを山さんっていうようになったみたいだよ。」  そうだったのか。  なるほど、どことなく健太と山さんは似ている…気がするよ。 「 ねぇ、健太。   全日本選手権、観にきてくれる?     私も健太が出る金政トライアスロン、応援に行くから。   あっ、あとね、上新大学の定期演奏会も一緒に…」 「 何、デートの誘い?   じゃあ、南京錠買ってこようかな?」
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