総じて、それは

3/5
前へ
/5ページ
次へ
 自分が一番だと思っている。  自分が誰より可哀想で自分が誰よりも不幸だと思っている。  みなと同じは嫌だと思いながら、みなと同じように振る舞っている。  そのくせ、自分はみなとは違うのだとも思っている。  自分の中にもう一人の自分を作り、さもそれが病的であるかのように振る舞う。  自分の中に幾つもの人格を作り、さもそれが病的であるかのように振る舞い、自分は他者とは違う特別なのだとアピールする。  性的マイノリティを、まるで衣服か何かのように扱い、それでもって自分を飾りたてれば、他者とは違う特別な自分になれると思っている。  かかってもいない病気や、正しく診断できてもいないマイノリティな要素でしか、自分を表現することができない。  人は誰一人として特別ではなく、突出した個性や才能は努力の上に成り立っているとも知らず、みなと同じことをしながら、みなとは違うと信じている。  お前のことである。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加