第一話 偽スープ屋とドーナツ

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「ここは?」 「教会だな」 ここが教会?小さくない? んー、でもレフトってこの辺だし、行ってみるか? いいの? 店をするんだグッドマンがいたら話がきけるんじゃないか?それにあれもあるだろ? そうだ、マスターの手紙があるし、いざとなったら、見習いカードもある、さすがアレン。 ギー。低く錆びついた音が響く。 失礼します。 誰もいないよ? 時間外かな? でも、ほら、あの辺、教会と同じだぞ。 本当だね。 あのー?どなたかいませんか? すみません! 「誰?」 あ。 さっきの子だ。 「なに?」 「ここは教会?」 「そうだけど」 シスターかブラザーはいる? 「いるけどー……」 いるの? 「ノット、腹減ったー」 「こいつがブラザー」 は? この人が? なんだかインキャの男が出てきたぞ? 腹をぼりぼりかきながら出てきた人。年齢的には三十代後半から五十代かな? 若いんだか年寄りなんだか。 「なんだ?お前ら」 「ああ、えーと、この町に来たばかりで、前いた街の教会のマスターがいい方で、教会へ行ってみろと、これを」 「ん?」 「エルード様からの手紙です」 は?と言いながらさしだしたものを手にAwwwww言っている。 まあ座れと言って座った。ここは本当に教会なのだろうか? 王都には、あちこちに教会はある、町内に一つという感じらしい。これはアリアさんたちに来て情報済みだ。 大きな教会は王宮のすぐそばにあるようだ。そこ以外はこんな感じだという。 彼はダニエル、一応六級。 嘘だ。 うそじゃねえ、えーとというとつぶれた帽子を見せた。 マスターはあなたを頼れと言っていたのですがどんな関係? どうも彼、ケインさんの弟子のようだ。 それを聞いてそっくりだわと私はいい、アレンがそっくりと言ったのに笑が出た。 で、彼らは孤児? ああそうだという、スープ屋というのは? えーとと言いながら頭をかいた。 「ダメだこりゃ」 「なんだよダメだって」 まあ、まあ、あの、私たちエルージュでスープ屋をやっていたんです。 は? 王都で店を構えようと思い、店は明日には決まると思いますが、あいさつ代わりに、というか税金の話を聞こうと訪れたんです。 真面目だな。 わるかったわね。 「ルシアン?お前、女だろ?」 「そうよ、悪かったわね」 「髪」とポツリ。 「短いの悪い?」 「あ、い、いや、ガキ抱いていたから、悪い」 ああ、ケンタ、背負ってるんだけど、まあいいか?本当に悪いと思ってんのかね? 「それで、グッドマンはいるの?」 ああーえーと。 「いねえんだな?」 「すまん、逃げられた」 は? こんなところ嫌だと逃げられた。 はあ。見回すと、汚い。そうだろうな。 「掃除した方がいいよ」 ・・・すまん。 いやー謝られても…。 「すみません、いても仕方がないので帰ります」 「あ、ちょっと待て、スープ屋するのか?」 「しますよ」 「だったらあいつら使ってくれねか?」 「んー」 「こっちにメリットがない」 メリット? 「あーえーと」 「こっちにどんないいことがあんのよ」 あーそういうことか・・・。んー。 「悩むなよな」 グー。ぎゅるぎゅる。 お腹のなる音が盛大に響いた。 「飯、いいか?」 どうぞ。 なあ、あの人たちほんとにスープ屋の人なの? そうだってさ。 じゃあ俺達やばいんじゃねえ? やばい? 店続けられるのかよ? ダメだろうなー? おい、おい。 なあ、あの人大丈夫かな? さあ、帰ろうか?明日でもいいし。 だな。 聞き覚えのある声の子はいた?アレンは間違いだったと言ったけど、いろんな人がいるのです、そんな事もあります。
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