第一話 偽スープ屋とドーナツ

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帰ります、また明日来ます、何時ごろがいいですか? いつでもいいよ。と食事をしています、つくったのはこどもたちのようです。 それじゃあと外に出ました。子供たちが少ないみたいでよかった。 ただ外に出て驚いたのはこんな時間でも外には人が多い事だ。貧しい路上生活者、この寒空の下、これは、急務かもな。 「ただいま」 「おかえり、みて、これ」 そこにはドーナツ。どうしたのこれ? 未来お前さ、昔これを教えた人いなかったか?おいしいスープをもらった代わりに。スープ? いいおばちゃんだったよ。 おばちゃん? んー、そんな人いたかな? 忘れてるんじゃない? ドーナツは? 教えたというか、作ってあげた子はいるけど、大人はいなかったと思うな。 「…そうだ、ドーナツ、こいつがそう言ったからじゃねえか?」 どういうこと? 店には商品の名前も出てなかった。 こいつがドーナツと言わなければ、名前は知らなかったんじゃないか? 「じゃああのおばさん、だましてたの?」 「だますというか、そういわざる得なかったというか?」 どうしよう、スープ屋の事も話しちゃった。 「未来、ゴメン」 「いいよ、知らなかったんだもん、でも、なんで嘘ついたのかな?」 いい人そうだったのにな。 その頃。 「チッ、どうしたらいいもんかね?」 「いいんじゃねえのか、向こうはわからねぇんだろ?」 「でも気が付いたら」 「気がついたって、どうにもならねえさ、これを知ってるのはもうこの世にいねえし、誰が作って売ったっていいわけだし、誰もそれは取り締まってねえだろ?」 まあそうだけど……。 いいんじゃねぇの、このままうれりゃあ。 「でも商売の届けは出してないんだ、そっちが知られたらやばいよ」 「まあそうだな、明日にでもとってくるか?それぐれえの金あんだろ?」 隠れて今までできたんだ、できるだろうよ。 そうだね。 二人は床を磨いている汚れた服を着ている子をみました。
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